60代は、仕事中心の生活から、仕事は補助的なライフスタイルへと考える人が多くなるのではないでしょうか?しかし、現実にはなかなか会社員時代の収入との落差に慣れず、あれ?こんなはずではと感じているシニアの方も多いかと思います。
筆者も、新たに始めた仕事は、費用対効果を考えて始めたにも関わらず、やり始めたら少々報酬と労力が釣り合わないと感じるこの頃です。
この20日ほどは、少し仕事が立て込んでいて心身の疲れがマックスとなりさすがに「ん?」となりました。
会社員時代の収入は、余程のことがない限りは毎月同じ日に会社から「給料」が振り込まれる訳です。
しかし、働き方を変えると、それは会社員時代とは大幅に違うことはわかっているはずなのに、しっくりくるまでに時間が必要なようです。
初めて会社員以外の働き方をしてみて4か月になります。
そして、今、思うことを書いてみます。
働き方を変えたら、考え方を変える
どんな仕事にも責任はある
責任が伴わない仕事などないと思います。
ですが、程度の問題が大事になってきます。
筆者は、このところ少々仕事が立て込んでいたり勉強が必要だったりしたこともあり、仕事の納品が完了してからの数日は、何もしたくなくなりました。
会社員を卒業してから1年と2か月、これほどの疲れを感じたこともなかったです。
普通であればとっくに納品を済ませてもいいはずの案件でしたが、どうしても自分が納得できない問題があり、納品をずらしてでも(納期までは余裕があった)調査を重ねていたせいです。
納品が完了してから、「ここまでする必要があるのかな?」と自分に問いかけていました。
報酬の大小に関わらず、毎回、似たようなことをしているのですが、さすがにここまでやるのなら会社員を辞めた意味がないのでは?とふと感じてしまいました。(笑)
第二の人生をスタートしたなら、時間的な比重ではなく精神的な比重も考えることが大切ではないかと。
そうでなければ、採算が合わなくなります。
やはり、ボランティアではない以上、そのあたりを考える必要がありそうです。
時間給で仕事を計算しない
一旦、会社員を卒業したら、これまでの金銭感覚を捨てよう
会社員を卒業した後でも、しばらくの間は、金銭感覚を急に変えるというのも難しい面があります。
会社員ではない働き方をしてみると、稼げる金額の範疇が大きく変わってくるということを自覚する必要があります。
そうでないと、なかなか現実との折り合いがつけられなくなってきます。
年齢的な状況から見れば、それが世間的には普通のことなのですが、どうしても受け入れるまでに時間が必要となります。
世間ではよく聞く、「有名企業の部長だった」とか、「課長だった」とか・・・(笑)
しかし、一旦会社を離れれば会社の看板を持たない一人の人間に過ぎません。
第二の人生の仕事は、若い上司の元で末端の仕事をするケースがとても多くなるようですが、このような肩書を持っていた方にとっては、現実とのギャップに困惑するらしいという話もよく聞きます。
でも、逆に言えば、それだけ「責任」も軽く、もっと軽やかに楽しんで仕事ができるチャンスがやってくる年代でもあるのです。
現代では、世界情勢の悪さもあり経済的な面では老若男女、ほとんどの人が大変な時代になりました。
そして、お金に関する話題や情報を大ぴらに発信をしている人が増えて来ました。
お金がある無しに関わらず、稼ぎ方や、貯め方や、特に「使い方」について考える時代になってきています。
筆者は特に個人で仕事を請け負うようになってから、本当にお金を稼ぐことの大変さを痛感しています。
3000円稼ぐと言っても、仕入れや在庫を持つような商売であれば、実質利益はもっと少ない訳です。
「サラリーマン脳」そのままでは、到底、このギャップについていかれないです。
会社員を辞めてみて、世間の自営業者の方は本当に大変な中を頑張っていらしたのだと、そんなことを考えるようになりました。
パートやアルバイトは勿論「時間給」です。
1時間働けば、必ず稼げるお金です。
しかし、出来高制の仕事は「時間給」ではありませんから、請け負った仕事に掛かる時間は人によってまちまちです。
余りに合わない仕事だなあと感じてしまうと、ついつい「時間給の仕事をした方がいいかも?」と考えてしまう時があります。
自分のポリシーを失わない
「60代からの仕事は楽しくあるべき」と思うものの・・・
せっかく、ある程度は自由に働ける年齢が来たのです。
どんな仕事でも楽に稼げる仕事がないことは承知していますが、心身に過剰なストレスを感じるような仕事はいかがなものでしょうか?
同じ働くでも、100%生活が掛かっている時代を卒業したのですから、少し楽しみながらできる仕事がいいのではないでしょうか?
と、このように頭では考えている訳です。(笑)
しかしながら、最近仕事を始めたら、やはり元々持っているらしい「職人気質」のようなものが出てきてしまい・・・
どうやら、お金の大小とは関係なく「自分のポリシー」のようなものがあるらしいです。
仕事に取り掛かる前と後であれば、冷静に採算も考えつつもあります。
しかし、いざ取り掛かってしまうと「あれッ?採算考えてる?」と思う訳です。
それでも、自分なりの「こだわり」がある以上はそれは大事にした方がいいとも思うわけです。
優先順位を間違わないコトが大事
時には、仕事を断ることも必要
会社員ではできないコトでも、個人で受けている仕事であれば、時には仕事より優先するべきことがあります。
逆に言えば、それが出来ないのであれば、「使われている身」と何ら変わらない訳です。
勿論、我儘とか、程度の差はありますが、100%こちらの事情が優先されないのであればそういう仕事はしない方がいいとも思います。
短期間であればそれもどうにか都合をつける事も可能ですが、「やらされ感」があまりに強い場合は、報酬よりストレスのほうが大きくなってきます。
会社員ならそれも仕方ないことですが、もうそういう立場は卒業しているのですから。
無理をしないコト
一時的な無理は必要な時があるが、無理の継続は続かない
年齢や体力や、環境も人それぞれです。
気力で頑張れるうちはまだ何とかなりますが、身体が悲鳴を上げるようになると、結局継続が出来なくなります。
体調が悪くなると、脳みそまで拒絶反応をして来ます(笑)
「見たくない、見たくない!」と言ってくるので、「ああそうですか」と返事をせざるを得なくなります。
会社員時代は、ここでどれだけ無理をしてきたことか(笑)
第二の仕事に入ったら、「細く長く」仕事を継続できることを目標にする人が多くなります。
筆者もご多分に漏れず、我儘にならない程度に自身をいたわりつつ仕事ができればと思います。
まとめ
60代を迎えられた皆さんや、定年予備軍の皆さんや、40代くらいの皆さんを含め仕事をどうしようかと考えている方は本当に沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
筆者も、色々な方のお話しを見たり聞いたりしながら参考にさせていただいております。
結局最後は、「自分がどうしたいのか」に行き着くのですが、選択の決め手になる重大要素が、今の経済事情と、先々の経済事情の見通しが交差している点となります。
何をしたいとかどうしたいとかいう以前に、絶対に無視が出来ない要素が「お金」の問題です。
永久にこの問題を考える必要がない人もいるかも知れませんが、今のような時代ではそのような恵まれた環境に居る人は少ないのでは思います。
多分、多くの60代の方も直面しているであろう問題でしょうか。
筆者は、すでにインボイス登録も完了し、個人事業主としての準備は出来つつあります。
ようやく少しだけ、「これまでの感覚」とは違うことに慣れてきたところです。
何事もやってみないとわからないですし、やってみてダメであれば、「納得して捨てる事が出来る」
はじめから絶対に「やらねばならない」という気持ちで始めても、若い時と違いその気持ちを背負い続けるだけの体力が残念ながらありません(笑)
そのことを自覚しつつ、「60代のカルチャーショック」を受け入れていきたいものです。