何かと先行き不安なご時世となり、老若男女問わず、「何か資格を取ろうかな」と考えてはいるものの漠然として決められない人も多いのではないでしょうか?
ご参考になればと思い、筆者が「宅地建物取引士」を取得した経緯と実際に資格を生かしてきた経験をお話しします。(宅地建物取引士の資格取得から足掛け25年。資格は現役で更新中です。)
「宅地建物取引士」は通称「宅建士」と言われます。資格の概要などについては情報の検索にて詳しい内容が把握できますのでこのページでは省略します。
「宅建士」を取って良かった点と、その理由を5つご紹介します。
1・自分の職業を持てる
2・自分の強みが生かせる
3・転職に有利
4・収入が期待できる
5・長く働ける可能性がある
自分の職業を持てる
普通の会社員という意識とは違う視点で仕事ができる
不動産会社は、正式には「宅地建物取引業者」のことです。
「宅地建物取引業者」は「宅地建物取引業法」に則り業務を遂行しなければならず、まずはこの不動産会社を営業するにあたり必須となる要件が、事務所ごとにその業務に従事する者の5人に一人の「宅地建物取引士」を置かなければならないという規定があります。
なので、資格を持たない一般の社員に比べると、少し責任が重たい分、やりがい等の意識面でも同じではない場合が多いです。
だからと言って、どちらが上だとか下だとかという話ではありません。
あくまでも本人の意識の問題と役割の違いです。
「宅建士」でなければできない仕事がある
不動産会社の仕事は多岐にわたります。主には「賃貸」や「売買」または「管理」をメインで営業している会社が多いです。
賃貸にしても売買にしても、お客様同士の契約の仲介が必要となりますが、契約の前に当事者に対して契約の内容や物件の詳細について説明をしなければならならない「重要事項説明」は「宅建士」でなければできないことになっています。
なので、契約に立ち会う回数を重ねるたびに知識とスキルが向上していきます。
自分の強みが生かせる
事務的なことが好きな人
「宅建士」の仕事自体は事務的なことが多いのでパソコンスキルは必須となります。
書類の作成など、会社によっては事務員さんが別にいる場合は依頼することはできますが、ほかの業務でもパソコン作業が多いため事務的なことが好きな人には有利です。
分野の違いがあっても、いずれも従業員一人一人の事務仕事が多い業種でしょうか?
人と接することが好きな人
事務仕事が多い反面、サービス業ですから人間相手の仕事も多いです。
営業でなくても、同業他社や、仕事でお世話になる業者さんや専門家の先生など、お付き合いは必須となりますし、不特定多数のお客様と常時接する必要があります。
ある程度のコミュニケーション能力も必要になります。
10人10色の人間相手の仕事ですし、特に「売買」の仲介の仕事は、「あちらを立てればこちらが立たず」の場合もありますし、土地建物を売りたいと考えている方は比較的高齢の方が多く、案件自体が相続絡みで複雑なケースもあります。
仕事以外の話も含め、ある意味人生相談も兼ねているようなところもありますし、時には理不尽な話もあったりします。
ですが、全てのことは「終わりよければ全てよし」の気持ちで取り組み、自分の役目を果たすことだけに集中し、いちいち感情に振り回されることがないよう寛容な気持ちで業務を遂行することが必要です。
売買の仲介の場合は契約してから物件の引き渡しが完了するまでの間、相当な期間をお客様と共に歩かないといけないのですから、あまり気が短い方には向かないかも知れません。
とにかく結果オーライで全てが完了し、その仕事に関わった人全員が笑顔で終了できれば完璧です(笑)
転職に有利
不動産業界は、同じ会社に長く勤める人が少ない業種のようです。
そもそも、将来独立を目指してスキルアップと経験の積み上げを目的にして始めた人も多いかも知れませんが、それでなくても、人の出入りが激しい業界の印象があります。
もし、転職をする場合でも「宅建士」の資格を持っていると、不動産業界内での転職には大変有利です。
また、経験すればするほど、その経験が積み上がっていき業界内での転職の際、転職が多いことがマイナス要因とならないことは少し他の仕事と違う面でしょうか?
収入が期待できる
稼げる分野がある業界です
不動産業界の収入はピンキリの面があり、何をメインで仕事をしている会社かにより収入の違いがあります。
「賃貸」や「管理」をメイン業務で行っている不動産会社は、給料は固定給の場合が多く、「売買」をメインで行っている不動産会社は固定給に歩合をプラスする規定の会社が多いです。
だだし、給料の規定は会社によってまちまちですので、「売買」でも固定給のみの会社もありますし、逆に「賃貸」でも、歩合やインセンティブを頂ける会社もあります。
不動産会社と一口に言っても、仕事の分野も多岐に渡り、その会社がどの分野を主体にしているかにより、仕事の内容は全く違います。
ただ、「稼ぐ」ことを目的にした場合は、「稼げる分野の仕事」がある業界です。
「売買」や「自社で分譲」をしている会社であれば、稼げる可能性がありますので当たってみるのが良いでしょう。
長く働ける可能性がある
「売買」の分野は年齢関係ない
「賃貸」の分野を主体にしている不動産会社の従業員は若い年代が多いのが特徴ですが、「売買」を主体にしている不動産会社の従業員は、比較的年代が高いようです。
もちろん、どちらの分野にも現実には色々な年代の方が混ざっています。
しかしながら仕事の中身が違いますので、やはり、その年代の強みを生かせる分野のほうがやりがいはあるかも知れませんね。
「売買」の仲介をする場合には、特に、事務的な話だけでは済まない事が多く、仕事には直接関係ないような話でも、とにかく「聞く耳」を持つことと、「共感」や「アドバイス」などができるとお客様は安心されるようです。
なので、ある程度の人生経験が豊かな年代層のほうが事実仕事がしやすい面があるかも知れません。
比較的、自分のペースで仕事ができ体力勝負の仕事でもないので、年齢を重ねたことがマイナス要因とならないところは、本当にありがたい仕事ではないでしょうか?
基本的に、頭と口が回りさえすれば、年齢がネックで仕事ができなくなることは少ない仕事です。
独立すればいつまでも働ける
最終的に、自分で起業するということもできます。
初めから、将来独立を考えて資格を取り、業界経験を積んできた人もいると思いますが、もしそうでなくても、その気になればいつからでも道が開ける業界です。
自分一人で始めることも、最初から数人で始めることもできますし、資金力や将来の計画など、もろもろ検討して目的に合った形で起業することが可能な業界です。
有名なフランチャイズに加入して、最初から「知名度」を武器にして始めるケースもあります。
いずれにしても、不動産会社を開業するにあたり、宅建協会に加入したりなど最低でも必要な「開業時資金」があります。その他、ある程度経営が軌道に乗るまでの運転資金など含めると、それ相応の資金が必要となります。
ですが、自分の人生の夢や目標がそこにあるなら、向かってみるのもいいかも知れません。
ひと昔前までは当然のようにあった「終身雇用」の制度が崩壊しつつある現代、ならば自分で起業しようと考えている人も増えているでしょう。
今は、起業の形や種類・職種も増えていますので検討の余地の一つとして挙げてみました。
何か、ご参考になることでもあれば幸いです。
今日も一日、無事に過ごせたことに感謝します。